今さら聞けない?投資信託にはどんな種類がある?

2020/11/28 土曜日

日本では実に6,000近くの投資信託が販売されています。この全部の中から自分に合った投資信託を見つけるのは至難の業ですが、色々な側面から分類をしていくと仕組みや中身などがわかり、自分に合った投資信託が見つけやすくなります。今回は投資信託にはどのような種類があるのか、その分類の仕方をお伝えします。

制度上の種類はこのように分かれる

1.「契約型」と「会社型」

日本の多くの投資信託は契約型です。運用会社と信託銀行が信託契約を結んで作られる(組成といいます)投資信託です。会社型は、投資を目的とした法人を設立して組成される投資信託(投資法人)で、会社型の主な投資信託にはJ-REIT(不動産投資法人)があります。

2.「単位型」と「追加型」

新しい投資信託が組成され、運用を開始するまでの間(当初募集期間)にだけ購入できる投資信託が単位型になります。募集期間を過ぎた後はその投資信託を購入することができません。一方で追加型は、投資信託が運用されている期間中いつでも購入できる投資信託です。

3.「公募」と「私募」

公募は私たち一般投資家をはじめ多くの投資家が購入できる投資信託ですが、私募は機関投資家やごく少数の投資家しか購入できない投資信託です。

4.「オープンエンド型」と「クローズドエンド型」

オープンエンド型は運用期間中の払い戻し(売却)ができる投資信託で、原則として自由に売買できますが、クローズドエンド型は運用期間中の払い戻しに応じてくれないため、売却ができない投資信託です。

5.「株式投資信託」と「公社債投資信託」

株式投資信託は、約款上株式の組み入れができる投資信託となります。債券を中心に運用を行っている投資信託であっても、約款上で株式の組み入れが可能な場合には株式投資信託になります。一方で公社債投資信託は、約款上株式を一切組み入れずに運用を行うとしている投資信託です。

このように投資信託は、制度上の種類によって分類できます。例えば、「いつでも売買できる、株式に投資している投資信託」であれば、契約型の「追加型公募株式投資信託(オープンエンド型)」となります。

運用対象による投資信託の種類は

また投資信託は制度上の種類の他に、運用対象によって商品が分類されています。これは、それぞれの投資信託の「目論見書」などに記載があり、その投資信託がどのような資産を投資対象としているのか、どのような方針で運用を行っているか、などが確認できます。

【投資信託の「商品分類」】

1.投資対象地域による分類

「国内」「海外」「内外」に分類され、投資による主な収益を、国内・海外・国内と海外、のどの資産から得ているのかを分類しています。

2.投資対象資産による分類

「株式」「債券」「不動産投資信託(リート)」「その他資産」「資産複合」に分類され、投資による主な収益をどの資産から得ているのかを分類しています。

3.独立した分類

「MMF」「MRF」「ETF」に分類され、MMFは毎日決算を行い、国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する公社債投資信託です。

MRFも毎日決算を行い、安全性の高い国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する公社債投資信託です。株式や投資信託などが購入できるほか、クレジットカードの利用代金の引き落としにも利用できます。

MMFもMRFも購入・換金は1円以上1円単位で可能で、リスクの低い運用を行っていますが元本保証はありません。

ETFは上場投資信託とも呼ばれ、証券取引所に上場されている投資信託です。株式と同様に指値注文や成行注文が可能です。日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指標に連動するように運用されています。

4.補足の分類

「インデックス型」「特殊型」に分類され、インデックス型は日本の日経平均株価やアメリカのダウ平均株価など様々な指数に連動する運用成果を目指している投資信託です。

特殊型は投資家に対して注意喚起する必要がある、特殊な仕組みや運用手法を用いている投資信託です。

商品分類にはさらに詳細な「属性区分」がある

商品分類は、さらに細かい投資信託の属性を表す「属性区分」も定められています。属性区分は以下のように区分されています。

【投資信託の「属性区分」】

1.投資対象資産

・株式:一般・大型株・中小型株
・債券:一般・公債・社債・その他債券・クレジット属性
・不動産投信
・その他資産
・資産複合:資産配分固定型・資産配分変更型

2.決算頻度

・年1回、年2回、年4回、年6回(隔月)、年12回(毎月)、日々、その他

3.投資対象地域

・グローバル、日本、北米、欧州、アジア、オセアニア、中南米、アフリカ、中近東(中東)、エマージング

4.投資形態

・ファミリーファンド、ファンド・オブ・ファンズ

5.為替ヘッジ

・あり、なし

6.対象インデックス

・日経225、TOPIX、その他

7.特殊型

・ブルベア型、条件付運用型、ロング・ショート型/絶対収益追求型、その他

属性区分の「投資対象資産」「投資対象地域」「対象インデックス」を見れば、どのような資産、地域、指標を対象に投資を行うのかがわかりますし、

「投資形態」「為替ヘッジ」「特殊型」を見れば、どのような運用手法の投資信託なのかがわかります。また「決算頻度」を見れば、どのような頻度で分配金が受け取れるのかが確認できます。

今回お伝えしたように、投資信託は制度上の種類のほかに「商品分類」と「属性区分」を確認することで、どのような投資信託なのかを確認することができます。

「目論見書」などに分類や区分が記載されているほか、証券会社や投資情報のサイトなどで「ファンド検索」をする時にも活用できますので、ご自身に合った投資信託を探すときに活用してみてはいかがでしょうか。