50代(以外の人も)が考える、セカンドライフのためのライフプラン

2020/11/28 土曜日

ライフプラン

年齢を重ねるにつれて、セカンドライフの生活がより現実的なものとなってきます。特に50代の方の場合は40代までと違い、もうすぐやってくる退職後の生活をより具体的に考えて準備を進めることができます。

今回は50代の方が今後のライフプランをどのように考えていけば良いかをお伝えします。もちろん、50代以外の人のライフプランにも当てはまる考え方です。

今後の暮らし方や収入・支出を想定する

今後の収入や支出は、現役時代とセカンドライフに分けて考えたほうが整理しやすいです。ここでは収入・支出を4つに分けて考えていきます。

1.現役時代の収入

「今の給与が○○歳まで続いたら」「退職金は●●万円」など、今後の働き方を想定すれば金額もある程度試算できると思います。段階的に給与が上がる・下がる、一定の年齢になると給与水準が変わるなど、すでにわかっていることがあれば、より具体的に収入をイメージすることができます。

2.現役時代の支出

生活費の他、教育資金や住宅ローンなど、まとまった支出がどれくらいあり、セカンドライフもそれらの支出があるのか、ある場合には何歳までいくらかかるのかを試算します。

住宅ローンについては、退職時の残高を返済予定表などで確認して、退職前や退職時に繰上返済・完済ができそうかを試算することが大切です。

そのほうが金利負担も少なくなり、セカンドライフのキャッシュフローがさらに良くすることもできます。

3.セカンドライフの収入

把握しておきたいのが「公的年金」の受取見込額です。50歳以上の方の場合は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」で、今と同じ加入条件で60歳まで加入した場合の「老齢年金の見込額」が届きます。

その金額はセカンドライフの収入のベースとなりますので、退職時の金融資産残高やその他の収入をふまえてセカンドライフのプランを考えていきます。

4.セカンドライフの支出

日々の支出については、今と同額もしくは1~2割多くかかると想定しておいたほうが良いと思います。その理由は大きく3つあります。

1つは、退職をすれば生活のリズムは変わりますが、生活水準は現在と変わらないということです。

現役時代と同じ生活レベルで過ごしていけばセカンドライフの支出もそれほど大きくは変わらないと思いますので、現在と同じ程度の支出があると考えておいたほうが良いのではないでしょうか。

2つめは、退職前よりも多くの時間があるということです。自分や配偶者のために時間を使うほか、私の親を見ていると孫のために時間を使うことがとても多い気がします。

その分、色々な出費をすることも考えられますので、その分金額を多く見ておいたほうが良いかもしれません。

最後は、今後考えられる「物価上昇・増税・高齢化」です。

新型コロナウイルス感染症の影響でマスクなど特定の商品の価格が値上がりしましたが、今後は日本国内だけではなく海外の外的要因によって起こる、品不足などによる物価上昇のリスクも今まで以上に想定しておく必要があると思います。

また、日本銀行の現在の政策目標は実現されていませんが、2%の「物価安定の目標」の実現、すなわちインフレを目指しています。

現在は新型コロナウイルス感染症でそれどころではありませんが、この政策を取りやめることは明言されていませんので、これが実現すれば生活費も上昇していきますし、さらに新型コロナウイルス感染症対策として多くの補正予算が計上され、また今後も計上されていくことが考えられます。

・日本銀行 金融政策決定会合
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/index.htm/

加えて少子高齢化がさらに進み、その分社会保障費の負担も増えることも想定されますので、増税や社会保険料等の負担増といったことも考えられます。

このような理由から、日々の支出は今よりも多めに考えておいたほうが良いと思います。

その他にもセカンドライフでは色々な支出が考えられますが、海外旅行やロングステイ、ボランティア活動や地域貢献、資格取得や起業といった、現役時代にはできないことやセカンドライフでチャレンジしたいことなどを、一度考えてみても良いかもしれません。

そのためには色々な費用がかかりますが、セカンドライフをどのように過ごしていきたいのかを、現役時代から考えておくことも大切となります。

これからの家計の推移を試算し目標設定をする

セカンドライフ

このように今後の収支を想定していくのですが、今後のキャッシュフロー表を作成して、これからの家計の推移を一度試算したほうが良いと思います。

なんとなく考えているより数字で確認するほうが、今後の目標をより具体的に設定できるようになります。

キャッシュフロー表をすれば、退職時にどれくらいの資産残高があるのか?セカンドライフの収支の推移は?といったことを確認できます。

確認をすれば、今から資産運用を行うべきなのか、行う場合にはどの程度の利回りで運用すれば良いのか、といった目標設定ができますので、もしかしたら必要以上にリスクを取る必要が無い、ということも確認できるかもしれません。

目標設定に合った商品を選び、運用状況を定期的にチェック

セカンドライフが始まる時期を区切りとして目標設定をして、それに合った商品を選び運用状況を定期的にチェックしていきます。

また退職が近づくにつれて、運用資産を安全資産に移し替えて利益を確定させるなど、出口の作業も必要となります。

どのように運用していくかは人によって異なりますが、まずは今の家計や今後の収支の確認を行うことがはじめの一歩となります。より豊かなセカンドライフを送るために、一度時間を取って考えていただければと思います。