「アセットアロケーション」って何だ?

アセットアロケーション

資産運用を行う前に、運用にまわす一時金の額や毎月積み立てる額、運用する期間や目標額などを決める必要がありますが、どのような金融商品で運用するかを決めることも大切です。

株式・債券・不動産など、多くの金融商品がありますが、商品によってリスクやリターンは変わってきます。また複数の商品を組み合わせた場合には、その内容や割合などに応じて期待できるリターンや想定リスクも変わります。

資産運用を考える時に、どんな「アセットクラス(資産)」にどんな割合で配分して運用するかを決めるのが「アセットアロケーション(資産配分)」です。今回はアセットアロケーションの考え方の基本と、資産運用を行う時にどう活用していけば良いかをお伝えします。

1つのカゴに全てのタマゴを盛るな!

資産配分

この考え方がアセットアロケーションの基本です。カゴが投資対象、タマゴが運用資金です。

例えば日本の株式だけを保有している場合、日本の景気や企業業績が良ければ運用もうまくいきますが、反対の状況になった場合には損失が出てしまうことも考えられます。

できるだけこのようなことを避けるために、例えば株式と逆の動きをする債券を投資対象の一部に入れることで、債券が下支えとなって保有資産全体の下落幅を少なくすることもできます。

また保有する株式や債券を、日本国内・海外の先進国・海外の新興国のように分けることで、数種類のカゴを持つことになります。

運用の途中でそのうちの1つのカゴを落としてしまい、中のタマゴにヒビが入ってしまった場合にも、他のカゴの中のタマゴは無事ですので、そのヒビが治るのを待ちながら運用を続けていくこともできます。

このように、運用資金を色々な投資対象に振り分けて、できるだけ効率的な運用を目指すのがアセットアロケーションの基本的な考え方です。

どうやってアセットアロケーションを決めていく?

アセットアロケーション

アセットアロケーションを決める場合は、おもに次の3つを検討していきます。

1.運用できる期間は?
退職時期や子供の大学入学時期など、何年間運用できるのか?何歳まで運用するのか?など運用期間を検討します。

2.目標額はどれくらい?
毎月の積立額や一時金の額を決めて、投資額の総額をどれくらいまで増やしたいのか、目標額を決めます。目標額が決まれば、どれくらいの利回りで運用すれば良いのかが決まってきます。

3.どれくらいのリスクを取れるのか?
大きなリターンを求める場合には、時にはそれなりのリスクを取る必要があります。どれくらいの下落なら許容できるかを考えておく必要があります。

なお、年齢によって運用できる期間やリスク許容度が変わります。また、人によってリスク許容度も違いますので、この3つの項目を検討してご自身のアセットアロケーションを決める必要があります。アセットアロケーションを決めた後に、個別の商品を組み合わせて「ポートフォリオ」を作成します。

定期的に確認して「リバランス」を行おう

最初に決めたアセットアロケーションは、運用の途中で割合が変わってきます。割合が変わったということは、利益または損失が出ているということですので、利益が出ている資産を売却して損失が出ている資産を買い増すなど、最初の割合に戻していきます。これが「リバランス」呼ばれている作業で
す。

なお、一般的には年齢が上がってくとリスク許容度も下がっていきますので、徐々に株式の比率を下げていくなど、割合を変えていく必要もあります。このように定期的に資産状況などを確認して、アセットアロケーションも見直していく必要があります。