あなたの2,000万円問題は?セカンドライフの資金を計画的に準備しよう

2020/11/28 土曜日

ライフプラン

2019年に「老後2,000万円問題」が話題となりましたが、セカンドライフの資金をいくら準備すれば良いのかを考えたことはありますでしょうか。

なんとなく考えるだけでは答えは出ませんが、これからのライフプランやセカンドライフの暮らしをイメージすると、より計画的な準備ができます。

そこで今回は、退職年齢をを65歳と考えて、どのようにセカンドライフの資金を準備すれば良いのか、これからのライフプランを考えながら目標設定をする手順をお伝えします。

65歳までの収入・支出をおおまかに確認する

ライフプラン

収入は正確な金額を出すのが難しい場合もありますので、「今の収入がこのまま続いたら」「毎年●%ずつ昇給したら」「●●歳で役職定年して65歳まで働く」など、可能な範囲で想定をしていきましょう。

また退職金の有無や額についても、勤務先の制度などを確認して見込額を試算しておいたほうが良いです。

また、自営業やフリーランスの方などは、一生現役で働くことも可能だと思いますが、ここでは65歳までをひと区切りとして収入の見込額を計算していきます。

65歳以降の収入は後で試算をしますので、まずは65歳までにどのような収入がどれくらいあるのかを想定した上で、その総額を試算します。

・65歳までの総収入額:●●万円(年間収入×65歳までの年数)

支出は毎月の生活費の確認や、住宅ローンの返済や教育資金があと何年でどれ位かかるか、など大きな支出の確認も必要となります。

また、旅行やリフォーム資金、車・家具・電化製品の買い替え資金など、今後想定されるまとまった支出をできるだけ、その総額を試算します。

・65歳までの総支出額:●●万円(年間支出×65歳までの年数)

この試算をするためには、現在の収支の確認と今後の収支を想定する必要があります。この機会に今後の収支の見込みを考えることと合わせて、今後の家族との過ごし方や働き方・暮らし方を考えてみてはいかがでしょうか。

65歳までの収支の差額に、現在の貯蓄残高をプラスすれば、65歳時点の貯蓄残高がおおまかに試算できます。また住宅ローンなどの65歳時点の残債額も返済予定表などで確認をします。

・65歳時点の貯蓄残高:65歳までの収支の差額+現在の貯蓄残高
・65歳時点の残債額(住宅ローン等):-●●万円

なお、退職金で住宅ローンの残債を一括返済する場合には、その残債額を引いた金額が65歳時点の貯蓄残高となります。

セカンドライフをどう過ごす?

セカンドライフ

65歳以降のセカンドライフが何年あるのかを決めるのは難しいですが、「平均余命」を参考に、セカンドライフの年数をある程度想定できます。

・令和元年簡易生命表の概況(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/index.html

平均余命は、ある年齢の人が平均あと何年生きるのか、という年数です。ちなみに65歳の平均余命は、男性は約20年、女性は約25年となっています。

・令和元年簡易生命表(男)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-06.pdf

・令和元年簡易生命表(女)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-07.pdf

平均余命を参考にしてセカンドライフの年数を想定すれば、老齢年金などの収入や生活費などの支出の見込み額を試算できますし、女性のほうが統計的には長生きしますので、ご夫婦の場合は奥様が90歳までセカンドライフがあると考えても良いと思います。

ちなみに「公的年金」は、男性は昭和36年4月2日生まれ、女性は昭和42年4月2日生まれ以降の人は、現行の制度では受給開始年齢が65歳からとなっています(今後どうなるかはわかりませんが‥‥)。

老齢年金は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」で、これまで納めた保険料に対しての受取見込額が確認できます。また「ねんきんネット」では、今後の働き方や収入などを入力すれば65歳からの年金見込み額の試算ができます。繰上げ・繰下げ受給や保険料の追納などの試算もできますので、一度使ってみても良いかもしれません。

・ねんきんネット
https://www.nenkin.go.jp/n_net/

・老齢年金の受取額:●●万円/年

また65歳以降も働く場合や私的年金など他の収入がある場合には、その見込み額を試算します。

・勤労収入:●●万円/年(●●歳まで)
・その他収入:●●万円/年(●●歳まで)

次に支出についてですが、セカンドライフが始まると現役時代と生活スタイルが変わることが多いですが、それまでの生活水準が大きく変わることは無いと思います。

そのため日々の生活費は、最低でも現在と同じ程度かかると考えておいても良いと思います。また、現役時代よりも病気・ケガ・介護などでお金がかかることも考えられるため、それに備えて費用を見込んでおくことも必要となります。

その他、住宅ローンが残っている場合には毎月の返済額、リフォーム費用や葬儀費用等の一時金についても想定できる範囲で見込んでおきます。

・年間の生活費等の支出:●●万円
・緊急予備資金:●●万円
・一時金の支出:●●万円

セカンドライフの収入と支出を差し引くとセカンドライフの収支が計算できますので、65歳時点の貯蓄残高と合わせることで、「65歳+平均余命」「奥様が90歳」といった、ある年齢時点の貯蓄残高が確認できます。

・ある年齢時点の貯蓄残高=65歳時点の貯蓄残高+ある年齢までのセカンドライフの収支

退職までの期間・投資可能額をもとに運用の計画を立てる

資産運用

このように、現役時代とセカンドライフの収支をわかる範囲で把握することで、セカンドライフを過ごしていった場合の、ある年齢時点の貯蓄残高が試算できます。

この残高がプラスになれば、それほどリスクを取って運用する必要が無いということになりますし、マイナスになった場合にはその金額が、これから準備する必要がある「●●万円」問題となります。

残高プラスにする、またはより増やしたい場合には、今後運用にまわせる金額を決めて、目標額に到達するために必要な利回りなどを決めていきます。

なおこれまでお伝えした内容は、キャッシュフロー表・ライフプラン表で計算していることをざっくりと文字にしたものです。

2020年度版ライフプランシミュレーションソフト【無料版】

キャッシュフロー表を作成すれば、数字で今後の家計の推移を確認できますので、目標額もより具体的になります。

セカンドライフはもちろん、今後の生活設計やライフプランを考える時には、現在の収支を把握してから将来の収支を想定したうえで、目標を設定することが必要です。